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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻11号

1999年10月発行

今月の主題 胃MALTリンパ腫―Helicobacter pylori除菌後の経過

主題症例

除菌治療が著効し長期間緩解を維持している表層型low-grade MALTリンパ腫の1例

著者: 大河内昌弘1 横山善文1 岡山直司1 佐々木誠人1 妹尾恭司1 城卓志1 伊藤誠1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1437 - P.1444

文献概要

要旨 胃MALTリンパ腫の中には,Helicobacter pylori(以下H. p.)の除菌治療で緩解する症例と緩解しない症例が存在する.除菌治療前にそれを判別する方法,および除菌後の長期観察による形態変化についての報告は少ない.今回,除菌治療が著効した1例を呈示し,その判別方法および長期観察による形態変化に関して,文献的考察を加えて検討した.患者は72歳,男性.胃角から幽門前庭部に顆粒状の粘膜粗糙,多発性の不整形びらん,および発赤部と褪色部の混在した粘膜を認め,病理組織学的に,low-grade MALTリンパ腫と診断された.H. p.は陽性であったため,lansoprazole+clarithromycin+tinidazoleによる除菌治療を行ったところ,生検でMALTリンパ腫は消失した.除菌後3年以上経過しているが,MALTリンパ腫およびH. p.の再発はない.内視鏡所見では,発赤,びらんは消失し滑らかな萎縮性の褪色粘膜に変化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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