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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻12号

1999年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌診断における生検の現状と問題点 主題

胃癌診断における生検診断の現状と問題点

著者: 八尾隆史1 三浦修2 川野豊一2 松崎圭祐2 松本主之3 壁村哲平4 丸岡彰5 吉田道夫6 岩井啓一郎1 小柳三由紀1 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究科形態機能病理 2防府消化器病センター 3九州大学医学部附属病院光学医療診療部 4済生会福岡総合病院内科 5福岡市民病院内科 6宗像医師会病院放射線科

ページ範囲:P.1469 - P.1475

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要旨 胃内視鏡が施行され生検が行われた症例の内視鏡像を,G1:良性にしか見えない,G2:癌(悪性)を否定しえない,G3:癌か良性かはっきりしないがおそらく腫瘍(腺腫に相当),G4:癌(悪性)を積極的に疑う,G5:癌(悪性)にしか見えない,の5段階に分類し,生検組織像との対比を行い胃癌診断における生検の役割を検討した.対象症例737例中G1が413例,G2が256例,G3が18例,G4が21例,G5が29例であった.各群での癌検出率は,G1が0.2%,G2が1.6%,G3が11.1%,G4が66.7%,G5が100%であった.また,内視鏡像と組織像の一致率は95.8%であった.内視鏡で癌と判定(G4, 5)されたが生検では良性であった症例は7例(全体の0.9%)で,逆に内視鏡で良性(G1, 2)と判定されたが生検で癖であった症例は5例(全体の0.7%)であった.現状では内視鏡的に良悪性の鑑別がかなり可能であるが,良性と判定している症例にもかなりの数の生検が施行されている.そして,肉眼的に悪性の所見が乏しい癌や悪性様所見を呈する良性病変も少なからず存在するので,確定診断においては生検が重要な役割を果たしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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