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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻12号

1999年11月発行

今月の主題 胃癌診断における生検の現状と問題点

主題

胃扁平隆起性病変の臨床的対応―生検とEMR標本の診断を対比して

著者: 浜田勉1 近藤健司1 下屋正則1 板垣雪絵1 泉嗣彦1 北村成大2 東馨3 加治文也4

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院病理 3東京顕微鏡院 4設計健康保険検診センター

ページ範囲:P.1513 - P.1520

文献概要

要旨 胃扁平隆起性病変281病変に内視鏡的粘膜切除(EMR)を施行した.EMR前に生検でGroupⅢと診断された病変(G-Ⅲ群)は164病変,GroupⅣあるいはⅤと診断されていた病変(G-Ⅳ・Ⅴ群)は117病変であった.これらの群におけるEMR前後の病理組織診断および大きさ,部位からの対比を行った.G-Ⅲ群ではEMR後,腺腫139病変(84.8%),癌25病変(152%)であり,G-Ⅳ・Ⅴ群では,癌100病変(85.5%),腺腫17病変(14.5%)であった.特に大きさ5~20mmの病変ではG-Ⅲ群,G-Ⅳ・Ⅴ群にそれぞれ16.4%,17.O%に生検診断とEMR後診断の変更がみられたが,癌であった125病変はすべて高分化型のm癌であった.したがって,扁平隆起性病変の臨床的対応としては,生検でG-ⅢおよびG-Ⅳ・Ⅴであれば,診断および治療を兼ね備えたEMRが有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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