icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻12号

1999年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌診断における生検の現状と問題点 主題症例

粘膜下層を主座に発育し生検診断が困難であった胃低異型度進行癌の1例

著者: 小林正明1 本間照1 岩渕三哉2 樋口健一3 味岡洋一4 渡辺英伸4 須田剛士1 佐藤祐一1 望月剛1 新井太1 本山展隆1 杉村一仁1 成澤林太郎1 鈴木力5 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医療技術短期大学部衛生技術学科 3樋口医院 4新潟大学医学部第1病理 5新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1531 - P.1535

文献購入ページに移動
要旨 患者は55歳,男性.検診で異常を指摘され,当科を紹介受診し,内視鏡検査で胃体上部後壁大彎に,粘膜下腫瘍に類似した立ち上がりを示す隆起性病変を認めた.表面に凹凸があり,周囲にひだ集中を認め,浸潤した胃癌を強く疑った.しかし,癌の露出する範囲は認識できず,生検診断はGroup Ⅳで,癌の確定診断は困難であった.胃全摘術を施行し,病理組織学的には,胃底腺領域に発生した22mm大の高分化型低異型度管状腺癌で,粘膜構造を保ったまま,粘膜下層を主座に発育し,漿膜下層まで浸潤していた.癌は細胞異型度が低く,Paneth細胞を有し,CD10陽性の刷子縁とMUC2陽性杯細胞を認め,完全腸型の癌であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら