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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻12号

1999年11月発行

文献概要

今月の主題 胃癌診断における生検の現状と問題点 主題症例

悪性所見に乏しく生検で初めて診断されたⅡb+Ⅱc型早期胃癌の1例

著者: 中井呈子1 細井董三1 須田泰史1 川田研郎1 中橋栄太1 大浦通久1 入口陽介1 知念信昭1 中村尚志1 斉藤雄介1 益満博1 山田耕三1 岡田利邦1 山村彰彦2

所属機関: 1多摩がん検診センター消化器科 2多摩がん検診センター病理

ページ範囲:P.1536 - P.1540

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要旨 患者は63歳,女性.胃集団検診で胃角変形(小彎辺縁硬化不整)を指摘され,当センターを受診.初回内視鏡検査で胃体下部小彎の潰瘍瘢痕と診断されたが,その前壁寄り辺縁の生検でGroup Ⅳが検出された.しかしその後の検査では癌の確定診断が得られなかったため経過観察となった.2年後の内視鏡検査でも悪性所見に乏しかったが,瘢痕部からの生検で癌と確定診断されたため,胃亜全摘術を施行.病変は大きさ25×14mmのⅡb+Ⅱc型早期癌,深達度m,tub2であった.臨床像が悪性所見に乏しく,生検で初めて確定診断が得られた症例を経験したので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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