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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻12号

1999年11月発行

早期胃癌研究会症例

梅毒性直腸炎が疑われたHIV感染症の1例

著者: 平野憲朗1 田口忠男1 野瀬晴彦1 田中武継1 菰田文武1 崔世浩2 今野暁男3

所属機関: 1千葉労災病院内科 2馬込沢クリニック 3千葉労災病院病理

ページ範囲:P.1565 - P.1570

文献概要

要旨 患者は48歳,男性.主訴は排便時出血.大腸X線検査で,直腸の前~後壁に粘膜集中を伴う多発性地図状潰瘍を認めた,病変の形態と分布,梅毒定性反応(PRPカードテスト,TPHA)陽性,経過中に出現した小紅斑状皮疹などより梅毒性直腸炎を疑ったが,直腸生検材料でのTreponema Pallidumの証明はなされなかった.しかしながら,sexually transmitted disease(STD)の可能性を念頭に置きHIV検査を施行したところ,EIA法,WB法とも陽性が確認された.診断と治療を兼ねた駆梅療法にて,潰瘍病変の速やかな治癒を確認したことで,本症はHIV感染症患者に併発した梅毒性直腸炎と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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