icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻2号

1999年02月発行

今月の主題 Barrett上皮と食道腺癌

主題症例

Barrett上皮内に発生した食道腺癌の1例

著者: 門馬久美子1 吉田操2 加藤久人2 山田義也2 小沢広1 荒川丈夫1 榊信廣3 葉梨智子2 小池盛雄4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.171 - P.176

文献概要

要旨 患者は,78歳男性.検診目的の内視鏡検査で,食道胃接合部に異常を指摘され,精査治療目的に当院入院.内視鏡検査では,食道下端に全周性の発赤するわずかな陥凹性病変があり,前壁~右壁の陥凹内には,微細顆粒状の凹凸を認めた.生検では,well differentiated tubular adenocarcinomaであった.食道造影検査では,Billroth-Ⅱ再建の残胃でsliding herniaを認めた.EG-junctionのほぼ全周に,微細顆粒状の変化があり,後壁には不整形の明らかな陥凹を認めた.病変の長径は15mmであった.長径15mm,ほぼ全周性のBarrett食道腺癌,深達度mの診断で,下部食道切除・残胃全摘・脾摘・食道空腸Roux-Y吻合術を行った.切除標本の病理組織所見では,大きさ15×55mm,Ⅱbであった.腺癌の病巣の下には,二層性の粘膜筋板があり,粘膜下層には固有食道腺がみられ,筋層は食道の構造を示しており,Barrett食道腺癌,深達度m.ly0,v0,n0であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら