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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻2号

1999年02月発行

文献概要

今月の主題 Barrett上皮と食道腺癌 主題症例

0-Ⅱc型・Ul(+)のBarrett食道癌の1例

著者: 清水勇一1 鈴木真理子1 関屋一都1 矢和田敦1 渡邉豊1 中里友彦1 塚越洋元1 大原正範2 細川正夫2 藤田昌宏3

所属機関: 1恵佑会札幌病院内科 2恵佑会札幌病院外科 3国立札幌病院病理部

ページ範囲:P.185 - P.188

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要旨 患者は67歳の男性で,胸やけを主訴に受診,上部消化管内視鏡で食道病変を指摘された.X線,内視鏡上,裂孔ヘルニアが認められ,上切歯列38cmに,辺縁に浮腫状の隆起成分を有する潰瘍病変を認めた.また,上切歯列35cmまで,舌状に拡がる発赤粘膜を認め,1時から4時の領域では粘膜は厚ぼったく,なだらかな凹凸を有していた.陥凹病変,および口側の発赤粘膜からの生検組織から腺癌が得られ,早期Barrett食道癌と診断された.病理組織学的所見では,主病変の口側の発赤したBarrett上皮も粘膜癌であり,全体の病変の大きさは34×26mmであった.病巣内には扁平上皮の遺残,および食道固有腺を認めた.組織診断は高分化型腺癌で,深達度はSM2,ly0,v0,n0であった.癌としての確定診断,および範囲の同定は画像所見のみからは,やや困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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