icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻2号

1999年02月発行

今月の主題 Barrett上皮と食道腺癌

主題症例をみて

Barrett上皮と食道腺癌―主題症例をみて

著者: 幕内博康1

所属機関: 1東海大学医学部外科

ページ範囲:P.215 - P.217

文献概要

はじめに

 最近,逆流性食道炎が注目を浴びるようになり,これに伴い,Barrett食道やBarrett食道癌にも関心が持たれるようになってきた.

 欧米ではHelicobacter pyloriの感染率の低下とともに,高齢者の白人男性にBarrett食道癌が高率に発生するようになり,食道癌の60~80%が腺癌で占めるまでに至っている.

 わが国ではshort segment Barrett's esophagus(以下short Barrett)やpartial Barrett's esophagus (以下partial Barrett)を含めると,その頻度は一般成人の6.0%と決して低くはない1).しかし,Skinnerら2)の定義に合致するBarrett食道(long Barrett)は0.3%にすぎないが,Barrett食道癌の頻度は著しく少なく,全食道癌の3%以下である.わが国の報告例は81例を数える3)

 Barrett食道からの癌の発生率については,高いというのが通説であるが,その頻度は0~47%と種々ある4).Barrett食道・Barrett上皮からの発癌は,Bremnerら5)の456例の追跡から,2.4%との報告がある.われわれは40例の経過観察から1例(2.5%)を経験している.

 8例のBarrett食道癌報告例をTable1のように集計した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら