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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻3号

1999年02月発行

特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割

総論 ルーチン検査でわかる消化管疾患とその所見 2.体外式腹部超音波検査

1)腫瘍

著者: 畠二郎1 田中信治1 春間賢1 松村俊二1 二神浩司1 楠裕明1 津賀勝利1 花ノ木睦巳1 山下直人1 吉田成人1 青木信也1 藤村二郎1 隅井浩治1 梶山梧朗1

所属機関: 1広島大学医学部第1内科

ページ範囲:P.255 - P.261

文献概要

要旨 本稿では消化管腫瘍の診断における体外式超音波検査(US)の意義について述べた.スクリーニング的検査法(前処置なし)では消化管早期癌の診断は非常に困難であるが,進行癌には高い診断能を有している.また,小腸や虫垂など,内視鏡診断の比較的困難な部位における補助的診断法としても有用である.一方,精査法として前処置を併用した場合,癌の深達度診断や粘膜下腫瘍の質的診断が可能である.いずれの方法においてもただ漠然と腹部を走査するのではなく消化管の解剖を熟知したうえで系統的走査を行うことは見落としを防ぎ,正確な部位同定のために重要である.画像の解釈をするうえで,層構造を中心としたUS独自の画像分析のポイントがあり,それらを総合的に判断してUS診断を決定する必要がある.従来の診断法と比較して粘膜面の微細な変化の評価という点でUSは大きく劣っているが,貫壁性情報が得られるという利点を有している.またその非侵襲性と簡便性がその特徴であり,被検者の全身状態によっては侵襲的検査が施行できないこともあり,そのような状況では特にUS診断の意義は大きい.これら種々のmodalityを相補的に駆使することで個々の症例におけるより的確な診断治療戦略の決定が可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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