特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割
各論 US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定 2.胃・十二指腸球部 2)粘膜下腫瘍(胃外性圧排を含む)
粘膜下腫瘍(胃外性圧排を含む)
著者:
宮本心一1
縄野繁2
田尻久雄1
朴成和1
武藤学1
大津敦1
森山紀之3
吉田茂昭1
所属機関:
1国立がんセンター東病院内科
2国立がんセンター東病院放射線科
3国立がんセンター中央病院放射線診断部
ページ範囲:P.341 - P.348
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要旨 当院で外科的手術を施行され組織学的に確定診断のなされた胃,十二指腸粘膜下腫瘍22例のうち胃平滑筋腫および平滑筋肉腫19例を対象にUS,CT,MRIの有用性を検討した.原発巣の描出率はUSでは50%(8/16)と低かったが,超音波内視鏡(EUS)では93%(13/14)で胃壁の層構造と腫瘍の連続性が明らかになり,粘膜下腫瘍の診断には必須の検査と考えられた.CTでは94%(16/17)で原発巣の描出が可能であり,遠隔転移の有無以外に腫瘍の正確な大きさ,拡がりを知るのに優れていた.平滑筋腫瘍に関してはEUS,CTの両者あるいはいずれかの検査で内部構造がheterogenousと診断された場合は全例が平滑筋肉腫であった.