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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻3号

1999年02月発行

特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割

各論 US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定 6.大腸 1)腫瘍

②鑑別診断

著者: 畠二郎1 末永健二1 寺面和史1 濱田敏秀1 藤井康友1 田中信治2 松村俊二2 二神浩司2 春間賢2 梶山梧朗2

所属機関: 1公立三次中央病院消化器科 2広島大学医学部第1内科

ページ範囲:P.407 - P.412

文献概要

要旨 大腸腫瘍診断におけるUS,CT,MRIの役割について,特にその鑑別診断に関して述べた。従来の診断法と比較してこれらはすべていわゆる断層法的診断法であり,消化管の貫壁性情報が得られる点が特徴である.一方,粘膜面に生ずる微細病変の描出は現時点では内視鏡やX線造影に匹敵する能力は有しておらず,その限界を理解して検査の適応を決定し画像を解釈する必要がある.非上皮性腫瘍の鑑別においては腫瘍成分が明らかに他の消化管と異なる特徴を有するもの以外は消化管壁の層構造との関連を評価することが重要であり,その点ではUSが優れていると言える.また分解能においても現時点ではUSがやや勝っており,一般臨床で比較的容易に応用可能である.一方,画像の客観性,共有性ではCT,MRIの両者が言うまでもなく優れており,よりoperator-dependencyの少ない検査法である.その正確な診断能や臨床的有用性に関しては今後の更なる検討が必要であるが,近年の機器の基本性能の向上や画像構成技術の進歩には目覚ましいものがあり,これらの検査法は消化管診断学において重要な地位を占めるようになる可能性は否定できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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