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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻3号

1999年02月発行

特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割

各論 US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定 6.大腸 2)炎症

①急性炎症

著者: 広岡大司1 大地宏昭1 片岡伸一1 豊永高史1 土細工利夫1 藤吉朗1 杉山健1 杉山理恵子1 林泰志1 筑後孝章2 園村哲郎3 井出満4

所属機関: 1岸和田徳洲会病院内科 2岸和田徳洲会病院病理部 3岸和田徳洲会病院放射線科 4岸和田徳洲会病院腹部超音波室

ページ範囲:P.413 - P.420

文献概要

要旨 大腸壊死性疾患(上腸間膜動脈血栓症,壊死性虚血性大腸炎),大腸穿孔(憩室穿孔,憩室炎穿孔,宿便性穿孔・特発性穿孔)について症例を中心に臨床像,腹部単純撮影,US,CTによりどこまで鑑別診断ができるかについて述べた.大腸壊死性疾患や大腸穿孔では腹部が膨隆し,急激に全身状態が悪化するため,全身状態の管理と診断・治療に緊急性が要求される.壊死性虚血性大腸炎の場合,大腸は拡張し,広範囲に発赤,腫脹を認め,腹水が多く,血性になることがある。上腸間膜動脈血栓症では壊死が強いと,大腸壁のair像や門脈内air像を認めることがある.憩室炎穿孔は憩室炎の前駆症状があり,US,CTで局所大腸の浮腫と周囲膿瘍を形成,憩室穿孔では排便時の息みなどを契機として,突然の腹痛で始まる.US,CTで憩室の証明,周囲膿瘍が特徴である.また宿便性穿孔も息みなどで,突然発症し,US,CTで宿便の証明と周囲膿瘍を証明する.高齢化が進む中,大腸の急性疾患,特に緊急手術を必要とする疾患―大腸壊死性疾患,大腸穿孔について,どこまで鑑別診断が可能か

を検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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