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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻4号

1999年03月発行

文献概要

今月の主題 胃型の分化型胃癌―病理診断とその特徴 主題

胃型・腸型分類からみた胃高分化型癌の悪性度

著者: 小関啓太1 滝澤登一郎1 小池盛雄1 船田信顕1 比島恒和1 迫間隆昭1 森山佐知子1 岡本浩之1 林幸子1 岩崎善毅2 荒井邦佳2

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科 2東京都立駒込病院外科

ページ範囲:P.507 - P.512

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要旨 高分化型sm胃癌を対象に粘液形質や刷子縁構造などに着目して胃型・腸型に分類し,脈管侵襲,リンパ節転移などとの関連を検討した.sm癌において胃型,腸型,混合型,無形質型は各々19.4%,43.3%,31.3%,6.0%で,胃型の形質を発現している癌も少なからず認められる.胃型高分化型癌では,有意に脈管侵襲率やリンパ節転移の頻度が高い.高分化乳頭腺癌では胃型が40.7%を占め,純粋な高分化管状腺癌と比較して胃型が多く,同じ高分化型でも乳頭腺癌と管状腺癌では明らかな差違を認めた.胃型の乳頭腺癌は生物学的悪性度の高い癌の可能性があり,安易に内視鏡的切除の対象とすべきではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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