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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻4号

1999年03月発行

文献概要

海外だより

Oxford大学留学記(2)

著者: 松井敏幸1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.562 - P.562

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 inflammatory bowel disease(IBD)に関する研究では,Oxford大学は高いレベルの研究成績を発表し続けている.1996年に,世界に先駆けてIBDのsusceptibility genesのlocusを発見した研究は記憶に新しい.その後も更に詳細に染色体上のlocusを特定する研究が行われている.また,IBDを亜分類し,病態と病因の違いを遺伝子学的に探求する努力も続けられている.わが国にはほとんどないceliac病と潰瘍性大腸炎術後のpauchitisについても,臨床研究が行われている.

 Oxford大学におけるIBDに関する臨床は,Dr. Jewellの前任者である有名なDr. Sidney Trueloveが基礎を築いた.1950年代から,彼は炎症性腸疾患診療のパイオニアとして診療体系の教科書的な骨格を形づくった.すなわち,IBDのnatural historyを記述し,治療手順を完成(steroid剤の注腸治療を考案,steroid剤の静注療法,いわゆる強力静注療法を考案)し,更にSASP剤から5-ASA剤への転換を考案した.その臨床の伝統のためか,Oxford大学を訪れるIBD患者の数は非常に多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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