icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻4号

1999年03月発行

今月の主題 胃型の分化型胃癌―病理診断とその特徴

主題症例

粘膜下腫瘍様形態を呈した胃型の分化型胃癌(進行1型+Ⅱa型)の1例

著者: 松永千佳1 馬場保昌1 牟田仁彦2 坂口康一2 太田恵一郎3 石原省3 太田博俊3 二宮康郎4 柳澤昭夫4

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属総合健診センター 3癌研究会附属病院外科 4癌研究会癌研究所病理部

ページ範囲:P.567 - P.572

文献概要

要旨 粘膜下腫瘍様の形態を呈した胃型の分化型胃癌(進行癌1型+Ⅱa型)の1例を経験した.患者は71歳の男性.3年前の胃X線検査で胃体上部後壁に大きさ約2cmの隆起性病変が発見されたが,内視鏡的生検診断はGroupⅠであったことから,胃粘膜下腫瘍の診断のもとに経過観察が行われた.3年間の経過観察中,計3回の内視鏡的生検が行われ,前2回の生検はいずれもGroupⅠの診断であった.その後,病変は大きさ約8cmの腫瘤へ急速に増大し,3回目の内視鏡的生検でGroupⅤ(tub1)と診断され,手術切除が行われた.病理診断は,肉眼型1型+Ⅱa型,大きさ85×75mm,組織型tub1(胃型分化型腺癌),se,ly(+),v(-),INFβ,StageⅡで,病変は胃底腺領域に存在していた.X線・内視鏡ならびに生検組織診断にとって,示唆に富む症例と思われたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら