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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻5号

1999年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍内視鏡的切除後の局所再発―腺腫・m癌を中心に 主題

大腸腫瘍の内視鏡的切除後における局所再発の実態―切除断端からみた再発率とその経過

著者: 太田智之1 斉藤裕輔3 折居裕1 渡二郎3 村上雅則1 吉田暁正1 長峯美穂1 中野靖弘1 松本昭範1 有里智志1 大田人可1 里悌子2 藤谷幹浩3 小原剛3 高後裕3

所属機関: 1旭川厚生病院消化器科 2旭川厚生病院病理 3旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.611 - P.618

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要旨 内視鏡的切除(ER)後に経過観察しえた径10mm以上の大腸腫瘍232例314病変(腺腫176病変,m癌121病変,sm1癌17病変)を対象に,切除断端からみた遺残再発のリスク,再発の実態とその治療経過について検討した.局所再発は12病変にみられ,切除断端陰性の病変には再発はなく,全例,断端不明もしくは陽性であった.切除法でみると粘膜切除術において腫瘍径20mm以上で断端陰性例は減少したが,ポリペクトミーでは腫瘍径と切除断端には相関は認めなかった.再発病変における初回の肉眼型は結節集簇型6病変,Ⅱa3病変,Ⅰs(p)3病変であった,また一括切除例の局所再発は0.8%と低率で,再発病変の83.3%(10/12病変)が分割切除であった.再発病変の11病変は12か月以内に発見され,また11病変に対し追加治療(再ER3病変,焼灼5病変,外科手術3病変)を行い,全例完全治癒を得た.以上から,遺残再発のリスクは,①20mm以上の病変に対する粘膜切除術,②分割切除,③表面型あるいは結節集簇型腫瘍であり,これらの病変に対して厳重な経過観察が必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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