icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻5号

1999年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍内視鏡的切除後の局所再発―腺腫・m癌を中心に 主題

大腸大型無茎性腫瘍の内視鏡的切除における局所再発の検討―20mm以上の腺腫・m癌について

著者: 趙栄済1 望月直美1 田中聖人1 宇野耕治1 塚田圭子1 上田モオセ1 宮田正年1 長谷川和範1 上野山義人1 河端秀明1 酒田宗博1 早雲孝信1 安田健治朗1 中島正継1

所属機関: 1京都第二赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.619 - P.628

文献購入ページに移動
要旨 内視鏡的に切除した20mm以上の無茎性大腸腺腫あるいはm癌で,6か月以上の間隔をおいて経過観察を行った34病変34例を対象として,切除の実際と経過を検討した.一括切除は14病変に施行され,切除腫瘍径は平均24.9mmであった。切除断端部のhot biopsyによる追加焼灼は14病変中3病変(21%)に用いられた.一方,分割切除は20病変に施行され,切除腫瘍径は平均36.1mmであった.hot biopsyによる追加焼灼は20病変中12病変(60%)に用いられた.局所再発例は2例でいずれも分割切除例であり,2チャンネル操作を併用していた.再発率は34病変全体では5.9%(2/34)であり,分割切除例20病変では10%(2/20)であった.再発例のうち,1例は追加焼灼で治癒し以後再発なく経過した.他の1例では内視鏡的切除の際に穿通が生じ10か月後に進行癌が再発した.大腸大型無茎性腫瘍に対する内視鏡的切除例では,切除断面の直後観察と短期間隔での追跡観察が再発の防止および対策,更に治癒への導入に重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?