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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻5号

1999年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍内視鏡的切除後の局所再発―腺腫・m癌を中心に 主題

切除局所の評価からみた大腸腫瘍内視鏡治療の根治度判定

著者: 工藤進英1 山野泰穂1 今井靖1 中里勝1 木暮悦子1 石川恵子1 井上崇1 江原重幸1 孟尼麗1 田村知之1 神谷尚則1 加藤淳一郎1 檜垣智彦1 金柄老1 粕谷孝光1 日下尚志1

所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.629 - P.634

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要旨 内視鏡治療における根治度判定は経過観察で再燃の有無を検討するか,病理診断でなされるのが一般的であるが,分割切除となったEPMRでは,病理学的には断端陽性として扱われているのが現状である.われわれは内視鏡的に切除局所の評価が重要と考え,拡大内視鏡を用いて腫瘍の遺残判定にpit pattern診断を導入することの有用性について検討を行った.その結果,腫瘍径25mm以上で6か月経過観察された病変のうち,内視鏡的遺残(-)群(34病変)では,再発率は14.7%で,拡大内視鏡を用いたものは11.5%であるのに対し,通常観察は25%と再発率が高い傾向にあった.また病理学的に断端の判断が困難なEPMRを行った病変(52病変)において,内視鏡的に遺残が認められない群では7.7%に再発を認めたが,通常観察群での再発率14.3%に対し,拡大内視鏡観察群では6.3%と低値を示した.以上のことから,切除局所の評価としてpit pattern診断を導入することが有用であると結論する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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