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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻5号

1999年04月発行

早期胃癌研究会症例

直腸MALTリンパ腫の1例

著者: 宗本義則1 海崎泰治2 細川治3 浅田康行1 飯田善郎1 大瀧憲夫1 海東恵子1 土田敬1 斎藤英夫1 藤沢克憲1 笠原善郎1 三井毅1 三浦将司1 藤沢正清1

所属機関: 1福井県済生会病院外科 2福井県立病院病理 3福井県立病院外科

ページ範囲:P.691 - P.697

文献概要

要旨 患者は72歳,女性.血便のため当院を受診した.注腸X線検査では直腸に約2cm大の粘膜下腫瘍があり,表面に小顆粒状のバリウム斑を認め,内視鏡検査では黄白色調の半球状の隆起性病変で頂上に斑状のびらんとわずかの出血を認めた.超音波内視鏡検査では内部エコーは充実性均一で,斑状の散在する点状高エコーを認めた.経肛門的腫瘍切除を行った切除標本の組織学的検索では,病巣は粘膜下層に主座があり,腫瘍内にはリンパ濾胞の残存が認められた.その濾胞間には小型から中型のcentrocyte-like cellの増殖が認められた.細胞増殖能は低く,低悪性度直腸MALTリンパ腫と診断された.直腸で粘膜下腫瘍をみた場合はMALTリンパ腫を念頭に置いた検索が必要であり,鑑別診断には超音波内視鏡が有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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