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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の内視鏡的切除をめぐって 主題

大腸sm癌の転移・再発の実態

著者: 多田修治1 飯田三雄2 大湾朝尚1 上野直嗣1 浦田淳資1 須古博信1

所属機関: 1済生会熊本病院消化器病センター 2川崎医科大学消化器内科Ⅱ

ページ範囲:P.715 - P.722

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要旨 大腸早期癌に対する内視鏡的治療の進歩に伴い,m癌からsm癌へその適応が拡大されつつある.これは大腸sm癌の中に,腸切除を必要とせず内視鏡的切除や局所切除で治癒する症例が多数存在するためである.しかし,大腸sm癌の10%前後にリンパ節転移が認められ,2%前後に遠隔転移がみられている.更に,経過観察例では局所再発と遠隔臓器再発も報告されており,どのようなsm癌に転移・再発のリスクが高いかを判定することが治療選択上必要となる.内視鏡的切除がなされた場合には,転移・再発の危険因子と考えられる,脈管侵襲,sm浸潤度,腫瘍先進部組織型,簇出などの病理組織学的所見の詳細な検討が重要であり,個々の症例に応じた治療法の選択が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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