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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

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書評「治療薬マニュアル1999 CD-ROM版」

著者: 山本和利1

所属機関: 1札幌医科大学・地域医療総合医学講座

ページ範囲:P.730 - P.730

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 日常診療を行う上で次のような事例に遭遇したとしよう.“内頸動脈閉塞の所見はないが,一過性脳虚血発作(TIA)を起こした65歳の女性に3か月前からaspirinを処方している.先週,2度目のTIAを起こした.患者は発作の再発を懸念し,もっと予防効果のある薬があれば,変更してほしいと申し出た”.担当医はどのように対応したらよいだろうか.

 普通は簡便に解決しようとして,先輩や同僚の医師にTIA再発予防に効果のある薬は何か尋ねる.また,教科書や製薬会社のパンフレットを参考に薬を検討することだろう.時間に余裕があるときには,最新のハリソン内科書に当たってみるかもしれない.それには“TIA再発予防にはaspirin,dipyridamole,ticlopidineなどがあるが,1日300mg以下のaspirin内服が最も有効である.dipyridamoleには脳血栓を予防するというevidenceがない.ticlopidineとaspirinの比較が行われているが,どちらがよいかうまく評価できていない.ticlopidineには白血球減少,下痢,皮疹などの副作用があるので,aspirinが禁忌のものにのみ内服させるべきである”と書かれている.医師も患者も再発の懸念を漠然と感じながらもaspirinを継続することになるのでなかろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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