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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の内視鏡的切除をめぐって 主題

内視鏡的切除適応拡大のための大腸sm癌の深達度診断―通常内視鏡検査の立場から

著者: 帆足俊男1 津田純郎1 松井敏幸1 八尾恒良2 岩下明徳3

所属機関: 1福岡県済生会二日市病院胃腸科 2福岡大学筑紫病院消化器科 3福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.731 - P.736

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要旨 今回われわれは,大腸sm癌の内視鏡的切除適応拡大のために,通常内視鏡による深達度診断能の限界を知る目的で,m癌とsm1癌の判別およびsm2癌とsm3癌の判別が可能かどうか検討した.また,内視鏡的切除術を施行した病理組織標本にてsm1,sm2,sm3癌の区別が可能かどうか検討した.症例はsm癌107病変(sm1癌31病変,sm2癌29病変,sm3癌47病変)に,対照として無作為に抽出したm癌31病変を加えた早期大腸癌138病変である.内視鏡による種々の所見においてm癌とsm1癌およびsm2癌とsm3癌は判別不可能であった.よって,sm2癌までの内視鏡的切除適応拡大は不可能であり,m癌のみに内視鏡的切除術の適応を限定することも不可能であった.また,内視鏡的切除の病理組織標本にてsm2癌とsm3癌の判別は困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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