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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の内視鏡的切除をめぐって 主題

内視鏡的切除適応拡大のための大腸sm癌深達度診断の検討―内視鏡を中心に

著者: 平田一郎1 栗栖義賢2 浜本順博1 森川浩志1 佐々木伸一1 村野実之1 江頭由太郎2 前村憲太朗1 豊田昌夫3 北江秀博4 北村影英5 勝健一1 谷川允彦3

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学第1病理 3大阪医科大学一般消化器外科 4市立枚方市民病院消化器内科 5南大阪病院消化器外科

ページ範囲:P.737 - P.746

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要旨 大腸sm癌に対する内視鏡切除術の適応拡大の可能性を検討する目的で,sm癌288病変の解析を行った.sm癌の肉眼型別頻度はⅠs/Ⅰspが最も多く(41%),次にⅡa+Ⅱc(23%)であり,リンパ節転移陽性sm癌の80%がⅠs/ⅠspとⅡa+Ⅱcであった.リンパ節転移率は4.2%(sm10%,sm26.6%,sm312.8%)であった.EMR後追加腸切除例の6.5%にリンパ節転移を認めた.ロジスティック回帰分析の検討では,sm深部(SM2,3)浸潤の指標として有意な内視鏡所見は示されても,特にリンパ節転移の指標となる内視鏡所見は示されなかった.sm癌の形態計測値では,リンパ節転移陽性sm癌の最小sm浸潤値は2,300μmで,これ未満のsm浸潤値がリンパ節転移のない理論的安全域と考えられた.リンパ節転移陽性の陥凹型sm癌ではsm浸潤値は4,600μmと有意に深く,smmassiveでもsm2程度の陥凹型sm癌に対しては内視鏡切除適応拡大の可能性が示唆された.一方,無茎隆起型sm癌についてはこのようなことは言えなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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