icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の内視鏡的切除をめぐって 主題

深達度からみた大腸sm癌の内視鏡治療適応拡大の可能性と危険性―内視鏡治療施行大腸sm癌症例の検討から

著者: 田中信治1 春間賢2 大江啓常2 永田信二1 伊藤雅啓2 網岡徹2 古土井明2 平本智樹2 弘田祐一2 清水俊彦2 國弘真己2 北台靖彦1 吉原正治2 隅井浩治2 梶山梧朗2 嶋本文雄3

所属機関: 1広島大学医学部光学医療診療部 2広島大学第1内科 3広島大学病理部

ページ範囲:P.757 - P.764

文献購入ページに移動
要旨 内視鏡的治療施行大腸sm癌80病変を対象に,深達度からみた内視鏡的切除の限界を明らかにするため,深部断端陽性率などの臨床病理学的所見と遺残,局所・転移再発,予後との関係を検討した.sm浸潤度は,400μm未満29例,400~1,500μm21例,1,500μm以上30例で,深部断端陽性率は13/80(16.3%)であった.13例中,隆起型病変が10例と高頻度であったが,sm浸潤度1,500μm未満の病変(6.0%;3/50)は1,500μm以上の病変(33.3%;10/30)に比べて有意に低率であった.局所遺残は,辺縁m癌の遺残1例と内視鏡的切除を途中で中断したsm遺残の1例のみで,ともに深部断端陽性例であった.ほかには追加手術例,経過観察例ともに遺残・転移再発は認めず,sm浸潤度1,500μm未満の病変は内視鏡的に局所根治可能であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?