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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻6号

1999年05月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

Barrett食道に発生した表在腺癌の1例

著者: 鈴木隆史1 中村常哉1 大橋計彦1 松浦昭1 栗本組子1 渡辺吉博1 竹田欽一1 高橋邦彦1 山雄健次2 波戸岡俊三3 篠田雅幸3

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器内科部 2愛知県がんセンター内視鏡部 3愛知県がんセンター胸部外科部

ページ範囲:P.821 - P.826

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要旨 患者は73歳,男性.逆流性食道炎,食道潰瘍の経過観察中に下部食道に異常を指摘されたため入院となった.食道X線では食道裂孔ヘルニアに連続して口側に全周性の粗糙な粘膜変化と,内部に淡い不整形の陰影斑を認めた.内視鏡では長径6cmに及ぶ発赤調で血管網を透見しうるビロード状粘膜と,異常粘膜局面の中央部には白苔に覆われた辺縁整の陥凹性病変を認めた.超音波内視鏡では陥凹部はUl-Ⅱの解放性潰瘍の所見であった.Barrett食道に合併したBarrett潰瘍として矛盾のない所見であったが,陥凹辺縁からの生検で腺癌が証明されたため,非開胸抜去術を施行した.組織学的にはBarrett食道に発生した深達度m1の高分化型管状腺癌で,陥凹部はUl-Ⅱの潰瘍であった.また,他部位には多発性に種々の異形成性のBarrett上皮を伴っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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