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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻7号

1999年06月発行

今月の主題 AIDSとATLの消化管病変

主題

AIDSとHIVの感染の臨床―消化管の初期像を中心に

著者: 大石毅1 山元泰之1 福武勝幸1 川口実2 斉藤利彦2

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学 2東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.837 - P.844

文献概要

要旨 HIVは,主に免疫機構の中枢であるCD4陽性Tリンパ球を減少させるとともに宿主の感染防御能力を低下させる.わが国におけるHIV感染者数は増加傾向が続いており,今後ルーチン検査の中からHIV感染症の診断に至るケースも増えてくると予想される.HIV感染症では,細胞性免疫機構の障害が主体であるため,発症する日和見感染症には特徴があり,これらの感染症が発見されたときはHIV感染症を疑う.HIV感染者の初期段階での消化管像の変化については明確な報告がないが,感染後一定期間を経たHIV感染者の多くは,何らかの消化器症状を訴えることがほとんどである.近年HIV感染症そのものに対する抗HIV療法,日和見感染症予防策は長足の進歩をとげており,無症候期に診断がつけば相当期間のコントロールが可能である.消化器病変から診断される場合は,免疫不全状況にあるため迅速な専門医へのコンサルトが必要となろう.本稿では,HIV感染者の症候からみた診断方法等について総説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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