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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻7号

1999年06月発行

今月の主題 AIDSとATLの消化管病変

主題

ATLの消化管病変の臨床像

著者: 青崎真一郎1 濱田富志夫1 馬場泰忠1 古田敏久1 畠中真吾2 西俣寛人3 石塚賢治4 花田修一4 大石一郎4 美園俊明4 小倉芳人5 蓮井和久6 中村勇一7 尾辻真人7 南寛之7 島崎隆7 宇都宮與8 高崎能久8

所属機関: 1済生会川内病院内科 2済生会川内病院病理診断科 3社団法人鹿児島共済会南風病院 4鹿児島大学医学部第2内科 5鹿児島大学医学部第1外科 6鹿児島大学医学部第2病理 7鹿児島消化器研究会 8医療法人慈愛会今村病院分院

ページ範囲:P.857 - P.872

文献概要

要旨 ATLの消化管病変として腫瘍細胞の消化管浸潤病変について,自験例22例の画像所見を画像所見と密接に関係する腫瘍細胞の浸潤・発育進展様式の観点から検討し,肉眼像を分類し,その特徴について症例を呈示し述べた.胃では,画像検査の施行された22例中18例,小腸では17例中9例,大腸では16例中9例に浸潤がみられた.ATLの消化管浸潤は広範囲で,かつ高度に及び,多発性またはびまん性の浸潤病変が多い傾向にあった.画像所見の検討により浸潤・発育進展様式とその肉眼像を基本的に以下の3つに分類した.①腫瘍細胞が腫瘤をつくらず消化管壁を連続性にびまん性に浸潤するタイプで,肉眼像としては粘膜面の凹凸が目立たない平坦病変を呈す―びまん浸潤型(表層型).②腫瘍細胞がリンパ装置に浸潤し腫瘤を形成するタイプで,肉眼像としてはMLP様の多発性の隆起性病変を呈す―多発結節型.③腫瘍細胞が多数のリンパ装置に浸潤し小さな腫瘤を形成するタイプで,肉眼像としてはたこいぼびらん様の小隆起がびまん性に多発した病変を呈す―多発びまん浸潤型.高度に白血化した症例は主として①の,その他の症例は主として②または③の浸潤・発育進展様式をとり,その肉眼像を呈すると考えた。ATLの消化管浸潤病変は腫瘍細胞の消化管への浸潤・発育進展様式および浸潤の程度が密接に関係し,多彩な肉眼像を呈すると考えた.更に消化管原発のATLの可能性について自験例を呈示し述べた.またATLの消化管の日和見感染症として,糞線虫とIsospora belliの感染症の症例を呈示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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