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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻7号

1999年06月発行

文献概要

今月の主題 AIDSとATLの消化管病変 主題症例

消化管病変を契機に発見され,種々の形態の小腸微小病変を伴った急性型adult T-cell leukemia(ATL)の1例

著者: 菊池陽介1 竹中国昭1 櫻井俊弘1 佐藤茂1 山本淳也1 津田純郎1 真武弘明1 松井敏幸1 八尾恒良1 田中仁2 岩下明徳2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.889 - P.894

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要旨 患者は58歳,男性.発熱の原因精査のため上下部消化管検査を施行したところ,上部小腸に,一部に中心陥凹を有す多発性の小結節状隆起が認められた.また小腸二重造影にてPeyer板に一致して微小潰瘍が描出された.終末回腸には大型の不整形潰瘍とPeyer板内のアフタ様潰瘍を,大腸にもアフタ様潰瘍を認め生検にて異型リンパ球の浸潤を認めた.末梢血に特徴的な異型リンパ球の増殖と抗HTLV-1抗体陽性,proviral DNA陽性より,原疾患はATLでその消化管浸潤と診断した.上部小腸の粘膜下腫瘍様の腫瘤形成性小隆起病変は以前報告した症例と酷似しており,ATLに特徴的な所見と考えられた.また,生体における小腸二重造影法でPeyer板や微小潰瘍,孤立リンパ濾胞の描出されたATL症例の報告はなく,ATLの小腸病変の機序を考える上で貴重な画像と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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