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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻7号

1999年06月発行

今月の主題 AIDSとATLの消化管病変

主題症例

高度な食道カンジダ症を合併したAIDSの1例

著者: 平田一郎1 長谷川稔1 江頭由太郎2 中川義仁1 屋木敏也1 梅垣英次1 前村憲太朗1 滝内比呂也1 田中雅也1 齊藤治1 島本史夫1 勝健一1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学第1病理

ページ範囲:P.899 - P.903

文献概要

要旨 患者は,45歳の男性である.嚥下障害と発熱を来したので,原因検索のための上部消化管内視鏡検査を施行したところ高度の食道カンジダ症を認め,免疫低下状態が疑われた.加えて,リンパ球数も若干減少していたので,リンパ球サブセットの検索を行い,CD4陽性細胞の著明な減少を認めた.以上より,AIDS発症が強く疑われ,HIV抗体の検査にてAIDSと診断された.AIDS患者は食道カンジダ症で発症することも多く,その際,本症例のように食道粘膜全体を覆う全周性の厚い白苔を認めることが特徴的と言われている.日常診療において上部消化管内視鏡検査時に,このような高度の食道カンジダ症に遭遇した場合,HIV感染症を念頭に置くことが必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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