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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻7号

1999年06月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

特異な形態を呈した胃粘膜下異所腺の1例

著者: 阿部慎哉1 長南明道2 増田高行3 杉山幸一4 野口哲也4 島田剛延4 池田卓1

所属機関: 1宮城県対がん協会がん検診センター 2JR仙台病院消化器内視鏡センター 3東北大学医療技術短期大学 4東北大学医学部第3内科

ページ範囲:P.923 - P.928

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要旨 患者は,72歳,男性.胃集団検診で要精査となった.上部消化管内視鏡検査にて,胃体中部大彎に頂部陥凹を有する粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.頂部の陥凹辺縁に不整像を認め,悪性を強く疑って胃切除術が施行された.病理組織学的には,病変の深部に一層の円柱上皮から成る大小不同の拡張した囊胞状腺管が認められ,胃粘膜下異所腺であった.本症例のような,特異な形態を呈した胃粘膜下異所腺の報告はなく,診断不一致となった.しかし,超音波内視鏡では,第3層内に多房性の無エコー域が描出されており,本症を強く示唆する所見であった.胃粘膜下異所腺の診断には,超音波内視鏡検査が有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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