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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻8号

1999年07月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題

逆流性食道炎の時代的変遷―その頻度の検討

著者: 藤本一眞1 岡本多代1 古川徳昭1 野田隆博1 坂田祐之1 岩切龍一1

所属機関: 1佐賀医科大学内科

ページ範囲:P.959 - P.962

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要旨 わが国における逆流性食道炎の頻度を,佐賀県における健常成人6,010例を対象として検討した.内視鏡検査で逆流性食道炎を認めた者は全体の16.3%であった.女性の有病率は60歳までは男性より少ないが,それ以上になると急激に増加した.“胸やけ”は対象者全体の28%が訴え,内視鏡所見のある者で44%,内視鏡所見のない者で25%であった.この頻度は過去にわが国で報告されたものよりは高いものではあった.今回の調査で明らかなようにわが国における逆流性食道炎は高齢者の習慣性,または変性性の腰椎後彎症に合併することが多いという点で欧米のそれとはやや異なる特徴を持っている.欧米にみられるように逆流性食道炎が今後増加していくとは断言できないが,治療法や診断法の進歩に伴い,本疾患への関心が高まってきたことは間違いない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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