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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻8号

1999年07月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題

逆流性食道炎の病態―食道を重視した立場から

著者: 河野辰幸1 永井鑑1 井上晴洋1 出江洋介1 中村正徳1 奈良智之1 熊谷洋一1 中島康晃1 岩井武尚1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.989 - P.993

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要旨 逆流性食道炎は胃食道逆流症(GERD)の1つの病態を表すものであり,その代表的な疾患である.発生メカニズムは複雑で,食道胃接合部機能に加え食道体部や胃十二指腸の運動,分泌機能も関与する.病態を規定する食道の要因としては下部食道昇圧帯を構成する壁内括約機構(LES)と体部の運動機能が重要である.LESの機能不全に基づく胃食道逆流は,一過性腹腔内圧上昇への反応異常やLES静止圧の異常低値によるfree refluxとして認められ,一過性LES弛緩も注目されている.食道体部では一次および二次蠕動波の出現頻度の減少や圧の低下が問題となり,食道粘膜の組織抵抗性も関与する.これらが食道炎の形態や重症度に関わってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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