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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻8号

1999年07月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題

逆流性食道炎の病態―胃・十二指腸を重視した立場から

著者: 岩切勝彦1 杉浦敏昭1 琴寄誠1 石川久木1 林良紀1 中川義也1 川上明彦1 平川恒久1 坂本長逸1 小林正文1

所属機関: 1日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.995 - P.999

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要旨 胃食道逆流(GER)発生に最も関与する胃,十二指腸の因子は,GER発生の主な原因である一過性下部食道括約部弛緩を誘発する胃伸展拡張刺激である.胃排出遅延も間接的な胃伸展拡張刺激状態となりGERを誘発する.酸分泌は逆流性食道炎(RE)患者と対照の間に差を認めないとする報告が主流である.逆流液で重要なのは酸,ペプシンであり,胆汁酸は高濃度の酸存在下に,食道粘膜障害を起こす濃度の胆汁酸が存在したときに問題となるが,食後にこのような胃液が存在するかは疑問である.トリプシンの酵素活性はpH7.0以上であり,術後症例や高度萎縮性胃炎症例で問題となる.Helicobacter pylori除菌後のRE発症が指摘されているが,必ずしもRE発症のリスクにならないとの報告もあり今後の検討が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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