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今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題
逆流性食道炎の病理診断
著者: 上杉憲幸1 中村眞一1
所属機関: 1岩手医科大学中央臨床検査部臨床病理部門
ページ範囲:P.1001 - P.1007
文献購入ページに移動要旨 胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease; GERD)の特徴的病理組織所見については様々な報告があるが,確定的な見解はいまだにない.われわれは臨床的に明らかなGERDの食道生検材料を組織学的に,対照群と比較検討した.炎症性細胞浸潤,特に好中球・好酸球浸潤はGERD群で対照群に比して高頻度であったが,GERDに特徴的とされる上皮内好酸球浸潤,basal cell hyperplasiaおよび上皮内粘膜固有層乳頭の上昇は対照群と有意差はなく,必ずしも特異的組織所見ではなかった.また,そのほかの病理組織所見や増殖能もGERDに特徴的と言える像はなく,病理組織像のみから診断することは困難であった.GERDの診断は病態を把握し,臨床病理的な総合判断を下すことが重要と思われた.
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