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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻8号

1999年07月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題症例

Helicobacter pylori除菌治療後に増悪した逆流性食道炎の2例

著者: 瓜田純久1 小山博1 神田映子1 山田秀一1 松崎浩司1 尾崎元信1 三木一正1

所属機関: 1東邦大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1023 - P.1026

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要旨 Helicobacter pylori除菌治療後に増悪した逆流性食道炎の2例を経験した.〔症例1〕は48歳,男性,逆流性食道炎grade A.併存する胃潰瘍の再発抑止の目的で除菌したところ,1年後に胸やけが出現,内視鏡ではgrade Bへ進展していた.背景胃粘膜は,除菌前のopen typeからclosed typeに変化していた.〔症例2〕は61歳,女性,逆流性食道炎grade A.広範囲の腸上皮化生を有する萎縮性胃炎であった.除菌後3年6か月で胸やけが出現,内視鏡ではgrade Cへ進展していた.腸上皮化生の胃内分布に変化はなかった.除菌による逆流性食道炎の発症あるいは増悪には,酸分泌の回復と食道胃協調運動の変化の関与が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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