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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻8号

1999年07月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎―分類・診断・治療 主題症例

高度食道狭窄を来した難治性逆流性食道炎の1例

著者: 吉村清司12 神津照雄1 大沼エドワード 圭1 有馬美和子2 岡住慎一2 福長徹2 田崎健太郎2 海宝雄人2 飛田浩司2 渡辺良之2 中島志彦2 落合武徳2

所属機関: 1千葉大学医学部光学医療診療部 2千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1027 - P.1032

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要旨 患者は48歳,男性.主訴は通過障害.上部消化管造影所見では,下部食道のlcm長の狭窄と十二指腸球部の変形を認めた.内視鏡検査では,ピンホール状の食道狭窄とその口側に潰瘍形成を認めた.潰瘍部以外にヨード不染帯はなく,潰瘍部,狭窄部ともに生検では悪性所見は得られなかった.FDG-PETの結果も加え,逆流性食道炎に基づく良性食道狭窄と診断し,内視鏡的食道拡張術と内服薬による治療を行った.3回の食道拡張術にて,経口摂取可能となり,退院となった.その後,再狭窄と食道炎の増悪を交互に繰り返していたが,現在は酸分泌抑制剤などの投薬にて症状のコントロールが良好であり,外来にて経過観察中である.本例をもとに,食道癌との鑑別診断および良性食道狭窄の治療について考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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