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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻9号

1999年08月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

粘膜下腫瘍様の形態を呈した大きさ10mmのS状結腸ss癌の1例

著者: 泉信一1 野村昌史1 三好茂樹1 小山内学1 柳川伸幸1 高橋邦幸1 渡辺晴司1 辻邦彦1 伊藤英人1 潟沼朗生1 姜貞憲1 桜井康雄1 宮崎恭介1 中村文隆1 道家充1 網塚久人1 河上洋1 吉田晴恒1 真口宏介1 篠原敏也2

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター 2手稲渓仁会病院病理

ページ範囲:P.1191 - P.1196

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要旨 患者は52歳,男性.スクリーニング目的に施行した大腸内視鏡検査でS状結腸に病変を認め入院した.注腸X線検査ではS状結腸に大きさ10mm大で類円形を呈する隆起性病変を認めた.病変中央部には星芒状の陥凹を有し,側面像において孤状変形から台形状変形を呈していた.大腸内視鏡検査ではS状結腸に,大部分が正常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.隆起の頂部には星芒状の陥凹を有し,その周辺にも散在性に小陥凹がみられた.拡大観察を施行したところ,病変頂部の陥凹部はpitが消失していた.同部からの生検で中分化腺癌の診断が得られたため,粘膜下層以深に深部浸潤した大腸癌と診断し手術を施行した.病理組織学的には粘膜下層を主座とし漿膜下層まで浸潤した中分化腺癌であった.病変の形態および発育進展を考えるうえで興味ある症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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