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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻1号

2000年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診断の基本所見とピットフォール 主題

早期胃癌診断の実際―隆起性病変:X線所見

著者: 浜田勉1 近藤健司1 板垣雪絵1 泉嗣彦1 下屋正則1 奥田圭二2 田中靖2 東馨3 加治文也4

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院放射線科 3東京顕微鏡院内科 4東京都設計健康保険検診センター

ページ範囲:P.47 - P.56

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要旨 隆起型早期胃癌のX線診断についてI型,Ⅱa型,Ⅱa+Ⅱc型それぞれにおける基本的な所見の捉え方を整理し,鑑別すべき疾患との所見の差,検査上での描出のポイントや問題点などについて述べ,症例を呈示した.①1型はポリポイド状で内腔に突出し,亜有茎あるいは有茎の隆起である.X線検査上,描出が容易で二重造影だけで十分診断が可能である.進行癌との鑑別のため側面像で,広基性かどうかや胃壁変形の有無を確認する必要がある.②Ⅱa型は台状ないし平盤状の扁平な腫瘍として観察される.隆起の表面は不揃いな小結節状である.腺腫との鑑別が必要だが,大きさと関係なくほとんどは深達度mである.X線検査上,二重造影では空気量により隆起の描出に差が出るので圧迫のほうが有用である.胃上部ではバリウムを流しながら撮影する工夫が要る.③Ⅱa+Ⅱc型では環状Ⅱa隆起+中心Ⅱc陥凹を示すものが多い.小さくてもsm浸潤傾向が強いので病変全体が硬い.X線検査では,二重造影の空気量にⅡa型ほど影響されず圧迫でも二重造影でも環状のⅡa部分と深い陥凹部分が明瞭に描出できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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