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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻1号

2000年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診断の基本所見とピットフォール 主題

早期胃癌診断の実際―微小胃癌・小胃癌:X線所見

著者: 杉野吉則1 今井裕1 布袋伸一1 鈴木和代1 向井萬起男2 熊井浩一郎3 岩男泰3 久保田哲朗4 大谷吉秀4 北島政樹4

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断科 2慶應義塾大学病理診断部 3慶應義塾大学内視鏡センター 4慶應義塾大学一般消化器外科

ページ範囲:P.101 - P.109

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要旨 陥凹型微小胃癌および小胃癌と形態が類似するような病変を呈示し,鑑別点を検討した.微小癌および小胃癌と良性びらんの鑑別点は陥凹の形状,輪郭の性状,辺縁隆起の性状などが挙げられる.癌の組織型から分化型と未分化型に分けてみると,分化型では辺縁の棘状ニッシェや辺縁隆起が特徴的である.未分化型では明瞭な陥凹を有するものについての診断は容易であるが,胃小区構造が残存するようなものでは,胃小区間溝の不整や胃小区の形状や大きさの不揃いが診断につながることがある.微小癌の診断は難しいが,造影剤がよく付着して胃小区が鮮明に描出された二重造影像を高解像度の装置で撮影し,注意深く読影することによりX線の発見能や質的診断能はかなり向上すると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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