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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻1号

2000年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診断の基本所見とピットフォール 主題

早期胃癌診断の実際―微小胃癌・小胃癌:内視鏡所見

著者: 長南明道1 三島利之1 安藤正夫1 熱海稔1 望月福治1

所属機関: 1JR仙台病院消化器内視鏡センター

ページ範囲:P.111 - P.118

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要旨 微小・小胃癌の内視鏡所見を形態別に述べた.陥凹型分化型癌は,不整な小発赤陥凹としてみられる.典型的なものはarea状の周囲隆起および棘状の延び出しを伴う小星芒状陥凹としてみられるが,平滑な周囲隆起を伴う小不整陥凹,あるいは周囲隆起を伴わない小不整陥凹としてみられるものもある.たこいぼ胃炎,治癒期びらんとの鑑別が必要である.陥凹型未分化型癌は,周囲隆起を伴わない褪槌色調の小不整陥凹としてみられ,陥凹内に再生性小発赤顆粒を伴うことが多い.胃底腺領域内の限局性萎縮,悪性リンパ腫(特にMALTリンパ腫)との鑑別を要する.隆起型は基本的に分化型を呈し,境界明瞭な淡赤色~褪色調の小隆起としてみられる.腺腫,疣状胃炎との鑑別が必要である.微小・小胃癌の発見には,軽微な異常所見を見逃さないと同時に正確な生検技術が要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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