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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻10号

2000年09月発行

今月の主題 食道アカラシア

主題

食道アカラシアの病理―発癌母地として

著者: 小澤壯治1 安藤暢敏1 北川雄光1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1245 - P.1247

文献概要

要旨 欧米と本邦の報告をまとめると,アカラシアのOver all食道癌併存率は2.9%(5,938例中170例)である.食道癌発生のリスクは7倍から33倍までの幅はあるものの,アカラシアが食道癌発生に寄与することが疫学的に示された.またアカラシア食道粘膜は炎症が生じやすく,細胞増殖の指標であるPCNA蛋白の過剰発現するような増殖活性の高い細胞が多い.同時に癌抑制遺伝子であるp53の異常が生じていることも明らかとなった.アカラシアは食道癌の発生母地であり,慢性炎症が癌化のスイッチをオンにする,この炎症と癌化との関連について,更なる分子生物学的な検討が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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