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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻10号

2000年09月発行

文献概要

今月の主題 食道アカラシア 主題

食道アカラシアの診断―運動機能診断

著者: 中島康晃1 河野辰幸1 永井鑑1 井上晴洋1 奈良智之1 熊谷洋一1 岩井武尚1

所属機関: 1東京医科歯科大学第1外科

ページ範囲:P.1263 - P.1266

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要旨 食道アカラシアは下部食道括約部の弛緩障害を本態とし,食道体部の収縮運動異常を示す疾患であり,診断にはX線造影,内視鏡,内圧測定などの検査が用いられる.教室の成績では,内圧分類,下部食道括約部静止圧はともに病悩期間,X線造影による拡張度,拡張型と直接の関係を認めなかった.しかし,内圧検査は下部食道括約部における嚥下性弛緩の欠如や過緊張状態,食道体部での異常運動などを直接とらえることができるという点で非常に有用である.更に,経時的術中静止圧の測定は筋層切開,逆流防止機構再生における客観的指標となり,治療効果の推定も可能である.現在,食道アカラシアの外科治療の適応判断や術式の選択において,運動機能の面からこれらを決定できる確実な指標はなく,今後も検討が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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