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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻10号

2000年09月発行

文献概要

今月の主題 食道アカラシア 主題症例

アカラシアに合併した食道多発早期癌の1例

著者: 小山恒男1 宮田佳典1 友利彰寿1 堀田欣一1 島谷茂樹1 山瀧一1 山田繁1 都甲昭彦2

所属機関: 1佐久総合病院内科 2佐久総合病院外科

ページ範囲:P.1281 - P.1285

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要旨 患者は73歳,男性.1998年9月ごろから嚥下困難,咽頭部不快感が出現した.食道造影にてspindle typeのアカラシアを認め,最大径は45mmであった.内視鏡では食道内に大量の粘液,残渣を認めたため,約2,000mlの洗浄後に観察した.胸部食道は全体に拡張し,脊柱による壁外性圧排が著明で偽憩室様の異常拡張を認め,更に中部食道右後壁と下部食道前壁に不整形の0-Ⅱc病変を認めた.IDUSでは第4層の肥厚を認めたが層構造は保たれていた.以上よりアカラシアに合併した同時多発性食道表在癌と診断し,EMRを施行した.アカラシアは食道癌の危険因子だが,食道内に残渣,粘液が多く観察困難なことが多いため,十分な洗浄後に詳細な観察を施行することが大切と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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