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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

文献概要

今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方 主題

胃カルチノイドの臨床病理学的検索―特にTypeⅠ(A型胃炎に合併)とTypeⅢ(sporadic)のリンパ節転移率について

著者: 岩下明徳1 高山成吉1 尾石樹泰1 岩井啓一郎2 八尾隆史2 下田忠和3 原岡誠司4 栗原憲二5 橋本紀三6 豊島里志7 大城由美8 橋本洋9 八反田洋一10 竹下盛重11 山本一郎12 福田敏郎13

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部 2九州大学大学院医学研究院形態機能病理 3国立がんセンター中央病院臨床検査部病理 4福岡大学医学部病理学教室第1講座 5宇和島市立病院病理部 6臨床病態医学研究所 7北九州市立医療センター臨床検査科病理 8松山赤十字病院病理部 9産業医科大学医学部第1病理学教室 10国立病院九州がんセンター臨床検査科病理 11国立病院九州医療センター臨床検査科 12国家公務員共済組合連合会浜の町病院病理科 13福岡赤十字病院病理部

ページ範囲:P.1365 - P.1380

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要旨 胃の典型的カルチノイド72症例について,臨床病理学的立場から検討した.本腫瘍はRindiらの病型分類に従って,TypeⅠ25例,TypeⅢ36例,型不明11例に類別された.TypeⅠとTypeⅢカルチノイドを比較すると,TypeⅠに多発,小腫瘍径,浅い深達度,軽度脈管侵襲のものが多いが,組織型はTypeⅠ・Ⅲともに曽我分類の混合型が80%を占めており両型問に明確な差はなかった.両型の所属リンパ節転移率はTypeⅠ25%,TypeⅢ35.7%と後者で高かったが統計学的有意差はなかった.転移陽性群と陰性群の平均腫瘍径は1.88cm,0.73cmと前者で有意に大きかった.以上の結果から,TypeⅠの生物学的悪性度は,TypeⅢのそれと比較して,現在考えられているほどには低くないと結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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