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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方

主題

経過観察からみたA型胃炎に伴う胃カルチノイドの動態

著者: 細川治1 海崎泰治2 渡辺国重1 服部昌和1 道傳研司1 林裕之1 藤田博明3 福田和則4 田中正樹5

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理 3芦原町藤田医院内科 4武生市福田胃腸科外科 5町立三国病院外科

ページ範囲:P.1395 - P.1404

文献概要

要旨 A型胃炎に伴う胃カルチノイドの2切除例を検討し,本腫瘍の増殖能は弱く,胃全摘術などの過剰な手術は必要ないと考え,その後の症例に無治療で経過追跡を試みた.5例に対して6か月おきの内視鏡検査,1年おきの血中ガストリン値測定と腹部CT検査を行った.最長6年10か月間経過した1例のカルチノイド腫瘍は肉眼的に消退した.残りの4例では大きさの変化は認められなかったが,1例で頂部のびらんの出現が経過中に観察された.血中ガストリン値の変動も少なく,腹部CT検査で肝転移やリンパ節転移が出現した症例も存在しなかった.A型胃炎に伴う胃カルチノイドには直ちに治療を行う必要のない腫瘍が含まれると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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