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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

文献概要

今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方 主題研究

Helicobacter pylori胃炎と胃カルチノイドの関連性

著者: 佐藤祐一1 西倉健2 渡辺英伸2 岩渕三哉3 植木淳一4 味岡洋一2 成澤林太郎1 朝倉均1

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理 3新潟大学医学部保健学科臨床生体情報学(病理学) 4新潟県立中央病院内科

ページ範囲:P.1417 - P.1421

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要旨 H. pglori感染が胃カルチノイド腫瘍(GCT)の発生に関与するかどうかを検討するため,胃体部に発生したGCT症例10例を対象とし,抗壁細胞抗体陰性5例〔PCA(-)-GCT〕と陽性5例〔PCA(+)-GCT〕に分けて,血清学的,組織学的検討を行った.H. pylori感染率は,PCA(-)-GCT例では100%,PCA(+)-GCT例は20%であった.PCA(-)-GCT例は,PCA(+)-GCT例や自己免疫性胃炎ほどではないが,高ガストリン血症とペプシノーゲンⅠ,Ⅰ/Ⅱ比の低下を認め,組織学的検討でもPCA(+)-GCT例と同様の萎縮性胃炎像を呈していた.PCAが検出されなくても,H. pylori感染が,体部腺萎縮を惹起させ,それが起因となって高ガストリン血症を来し,GCTの発生要因になる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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