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書評「成功する病院情報システム導入マニュアル―良質の医療を提供するために」 フリーアクセス
著者: 大江和彦1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院中央医療情報部
ページ範囲:P.1422 - P.1422
文献購入ページに移動著者の小山先生は,国立がんセンター中央病院新棟の病院情報システムをその企画立案段階から担当され,平成10年に先端的な病院情報システムを稼動させた経験をもとに,この本を執筆された.本書は,13章から成るが,技術書によくみられるような情報システム技術の一般的なことにはほとんど触れていない.病院情報システムの導入仕様を策定し,どのように院内の各部門の要望をとりまとめ,専門の情報部門のない病院がいかに大きな情報システムを安定して稼動させるか,といった事柄に大部分の頁を割いているのが大きな特徴である.これは,病院情報システムを導入する担当者にとって最も重要なのは,技術知識ではなくて,いかに組織のニーズをまとめバランスのとれた仕様を策定し,それをシステムに反映させるかというシステム組織学とでもいう領域である,という著者の信念の現れであろう.そして,病院情報システムの導入とはまさにそのとおりである.
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