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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

文献概要

今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方 主題症例

広範な微小肝転移を認めたsporadic type胃カルチノイドの1例

著者: 浅田康行1 田中延善2 三浦将司1 小練研司1 小杉郁子1 阿部仁郎1 亀水忠1 齊藤英夫1 宗本義則1 藤沢克憲1 笠原善郎1 村上眞也1 三井毅1 小林弘明1 飯田善郎1 藤沢正清1 松能久雄3 今村好章4

所属機関: 1福井県済生会病院外科 2福井県済生会病院内科 3富山県済生会富山病院病理 4福井医科大学第1病理

ページ範囲:P.1423 - P.1428

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要旨 患者は64歳,男性.高血圧で通院中,胃内視鏡検査で胃体上部後壁に不整な陥凹性病変を認め,生検の結果はカルチノイドであった.超音波内視鏡検査で腫瘍は胃壁全層に浸潤すると診断し手術を行った.病変の大きさは割面で20mmであった.肉眼的には粘膜下に浸潤したⅡc進行型胃癌様であったが,組織学的には漿膜に浸潤した古典的カルチノイド腫瘍で,リンパ節転移を認めた.術中,肝臓は脂肪肝様に軽度腫大していたため生検を行った.採取した肝組織に微小肝転移を2か所に認めた.比較的小さいにもかかわらず高度の転移能を有したsporadic typeの胃カルチノイドを報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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