icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

文献概要

今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方 主題症例

内視鏡治療後4年間腫瘍形成がみられていないA型胃炎合併多発胃カルチノイドの1例

著者: 嶋津剛典1 八尾建史1 松井敏幸1 佐藤茂1 松村雅人1 古川敬一1 八尾恒良1 大重要人2 岩下明徳2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1435 - P.1441

文献購入ページに移動
要旨 患者は65歳,女性.検診目的にて上部消化管内視鏡検査を受け多発胃カルチノイドを指摘された.胃液検査では無酸症,血清ガストリン値は3,400pg/mlと異常高値を示し,抗胃壁細胞抗体は陽性で無酸症および高ガストリン血症を伴うA型胃炎合併多発胃カルチノイドと診断し内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理学的には5mmの隆起性病変1個のみが腫瘍細胞が充実したカルチノイド腫瘍で,他に残存胃底腺粘膜による小隆起や平坦胃粘膜にECMが散在性にみられた.いずれも粘膜内に限局する病変であった.内視鏡治療後約4年が経過したがカルチノイド腫瘍の形成はなく,今回の治療は患者のQOLを含め適切であったと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?